生活,着物

先日美容院に行きました。別に髪の毛をどういじくったかとかそういう話ではなく、美容院に行くとふだん読まない雑誌を読むことができるのでたいへんありがたい。できれば美容師の人は気を使って話しかけたりせずに雑誌を心おきなく読ませてくれるといい。それでカットとカラーの間にMOREとかoggiとかGLITTERとか(雑誌は美容師さんが勝手に見繕ってくれるのだが忙しいためかかなり適当なチョイスになりがち)を読んだ。
そう言えばInRedという雑誌を読んだのですが、藤代メイサのコマザワンヌの何とかっていう小説はとても面白い。わたしが読んだのは最新刊ではないと思いますが連載が二回目で、一回目もそう言えばこの美容院で読んだんでした。西船橋とかどっかからわざわざ駒沢のセレブ公園に犬の散歩にやって来た主人公は、オシャレ犬をダシにしてコマザワンヌの仲間入りを大真面目に企んでいた。そして首尾よくコマザワンヌの兄妹とお知り合いに。この兄ったらセレブな上にミバもよくてヨダレが出ちゃうわ…絶対にモノにしなくちゃ!そして彼の家に転がり込んでコマザワンヌになるの、と心に誓う主人公。(西船橋から来たとは言えないので)適当に話をあわせていたところ、「アラそれは同じアパルトマンね」というわけでその日のうちに兄妹の家にご招待を受ける。さらに妹が消えた隙に、高ぶった主人公はなんと兄を押し倒してしまうのだった…。ちょ、お兄さんのってスゴイ!こんなの見たこともない!ウフンアハン、といった感じで、すべてが理解できない世界というか、この女の戦略はことごとく外しきっている気がするのだがどうでしょうか。こんなゲスい女を林真理子すら描いたことがあっただろうか。どうなってしまうのか…。
こんなことを書きたかったわけじゃない。どの雑誌も年末年始の号だからか着物の特集があって、保存についていくつか知らないことがあったのでメモしておこうと思ったんです。

  • いちょうの黄色い落ち葉を洗って四五日干し、ガーゼとかにくるんで入れておくと強力な防虫剤になるらしい
  • 桐ダンスなんてなくてプラスチックケースに入れている人(わたし)は下にすのこを入れておくといい
  • 着たあとは一日出しておくのは面倒なのでハンガーにかけドライヤーをあてる
  • 畳紙はシミの原因にもなるので、虫干しをちゃんとできない人は布にくるむとよい

でも、コマザワンヌ小説の前には正直どうだっていいですよね。

動物,生活

ぶり大根を作ろうと思い鍋を下ろしてふたを取ってみると底に点々と黒い水玉がついていました。ベルベットに似たふかふかとした質感。平静を装って金だわしでこすり落とし、しつこく洗剤で洗い上げたのち滞りなくぶり大根作成に戻りましたが、頭の中はKABIちゃんたちの成り立ちでいっぱい。あの美しい真円(写真を撮り忘れたことを考えるとそれなりに動揺していたようです)はいかにしてできたか考えるに、年末に洗ったあとどうかして水気を拭い忘れたままふたをして、シンク上の棚に載せておいたのが原因かと。この棚は昼間はシンク上の窓から西日が差してあったかく、菌たちは密閉空間で水分を吸ってぬくぬくと年越ししたわけです。温室育ち。水滴いっぱいに育ったからきれいに丸かったのね…そこまで考えて漸く彼等への愛が湧いてきましたがもはや手遅れ。
かように神秘とは身近にあるものです。わたしの友人は虹色の米飯を確認したこともあると言っていました。奇跡は試験管のみにて起くるにあらず、鍋にも、そして水筒にも…。
中学のあるうららかな日、友達とスタンドで呆けていると、グラウンドに上がる土煙。見ると同じクラスの男子がサッカー部にボコボコにされているのでした。苛めと呼ぶにはあまりにも、技をかけている男子達の顔は引きつっていたので、オモシロの臭いを感じて後日調査を開始。ともすれば口をつぐみたがる関係者に給食のアセロラゼリーをつかませて得た調査結果をここに報告します。
彼らは部活の休憩中、めいめいに持って来た飲み物で喉を潤していました。中でもボコ男(仮名)君が「詰めてだいぶん経つみたいだけど」と、伝聞にも程がある風情で持って来た水筒のココアが妙にくせになる味だと好評を博し、部のほぼ全員が回し飲んだのだそうです。しかし残り三分の一ほどになった頃、一人がカップに浮かぶ妙なものに気付きました。「コレ…虫じゃね?」水筒の中蓋を外して砂地にココアをぶちまけると、妙な虫が何匹もわらわらとうごめいて、それで先述の砂煙となったそうな。この話をきいてからわたしはしばらく、牛乳とかコーヒーとか底の見えない飲み物をかき混ぜて確認してから飲んでいました。でもコレって何の虫だったんでしょう。普通に考えればウージーなんですけど、調査によると

  • 黒っぽかった
  • 足がいっぱいあった
  • ココアはうまかった
  • でも許さない

とのこと、上の二つはあまりウの字っぽくないような。二週間放置したココアに生じる神秘の生命について、ご存じの方はご一報くださいね。この虫について研究を進め、ココアを美味しくする虫レポを手土産に食品業界の内定を総取りしたいと考えています。チーズを美味しくするウージーだっているんだもんねえ。

メレ子

忘年会を終えて、メレ子はホームにすべり込んできた若草色のラインの環状線に乗り込んだ。先ほどとはうってかわり、むっとする暖気が体を包む。パーソナル・スペースは5メートルと主張して憚らないディスコミュニケーター・メレ子にとって、年の瀬の終電は苦痛以外の何者でもない。車両の中ほどに大人しく押し込まれつり革に取りつく。30分ほどの乗車時間をどう過ごすか?身体をねじってバッグから文庫本を取り出すのも気が引ける。そもそも「話がつまらない男に尿意を覚える」をパブリックなスペースで読むのもためらわれる。車内の液晶モニタで「ドン・シボリオーネの英語でシャベリオーネ」でも見て見識を深めることにしよう。顔を上げたメレ子の眼に、異なものが飛び込んできた。
壁側に一列に並んだ座席シートの途切れるドア脇の狭いスペース、よくラッシュ時に乗降客をやり過ごそうと身を潜める人がいる場所に、座席シートの横仕切りにもたれかかるようにして若い男が立っている。といっても仕切り自体は男の腰より少し上の高さしかなく、彼の胸から上はいきおい端の座席シート上空を侵犯している恰好だ。実際に端の席には暗緑色のよれたブルゾンを着たおっさんが、ちらちらと男を迷惑そうに見上げつつ座っている。学生らしい男は大きめのスポーツバッグを網棚に載せ、力強く船を漕いでいるのだった。身体をどこかにもたせて眠るにももう少し迷惑にならないやり方がいくらでもあるはずだが、なかば意識が彼岸に渡っているらしい。そのことは間もなく最悪の形で証明されはじめた。だらしなく開いた彼の口のはたに、白く光るものがある。おっさんの領空を侵犯しているアレは何?鳥か、飛行機か、アダムスキー型UFOか。矢追純一ばりに息をつめるメレ子。考えたくはないが、アレは…YO・DA・RE…!!!
おっさんはいよいよ不安そうに何度となく上半身をひねって若者を見上げながら、ずりずりと前に腰をずらしている。いよいよヨドン一号は垂れ下がり、いつ着弾してもおかしくない。メレ子の横のカップルも「ねえアレ、アレだよアレ」とささやきはじめ、車内はざわ…ざわ…と異様な熱気をおびてきているのだった。緊迫したまま10分ほどが過ぎる中、メレ子は焦燥感に駆られながら若者の半生を、電車内で酔いつぶれ粘度の高い液体を分泌するに至るまでの半生を狂おしく想像する。人によだれを垂らせとて、22までを育てしや…彼が大学に入学してテニスサークルで今まで歩んできた道程(失恋二回)をたどり終えた辺りで電車がおっさんの降車駅に着いた。そそくさと降りるおっさんの背中にはあきらかに安堵が滲んでいる。しかしメレ子の焦燥に終わりはこない。新たに乗り込んできた営業系とおぼしき中肉中背のサラリーマンが、よだれに気付くことなく、特別席についてしまったのだ。若者はいよいよぐったりと目覚める気配なく、電車の動きにあわせてよだれ糸が細かく震えている。カップルの男は女の視界を遮るように胸に引き寄せ、緊張に耐えかねて我知らず爪をギリギリ噛みだすメレ子…あーもうダメ、ダメだ、ダメだー

ぽとり

サラリーマンの濃紺のスーツについに架橋されてしまった。フーっと妙な開放感が車内を覆う。何も知らずに視線を宙にさまよわせるサラリーマン…そのまま若者は透明なよだれをズルズルと伝い降り、粘液にとらえられたサラリーマンをゆっくりと捕食しはじめた。これが大自然の理とはいえ、正視にたえない光景である。「温暖化って嫌あね」カップルの女が男の胸に顔をうずめたままささやいている。
サラリーマンが半分ほど消化されたのを見届けてメレ子は電車を降りた。サラ金のネオン看板に照らされて紅く染まったホームには駅員がひとり佇んでいる。メレ子は、自動販売機に硬貨を押し込んだ。両手に缶コーヒーを包んで一人ごちた。「まったく唾棄すべき出来事だ」
「誰がうまいこと言えと」駅員がすれちがいざまに囁いた。

主張,動物

よく考えてみたらお正月はエネーチケーのネイチャードキュメンタリーばかり観ている自分がいて、なにしろエネーチケーさんは三ヶ日かけて日本百名山だの世界遺産だのダーウィンが来た!だのプラネット・アースだの、素晴らしい番組の総集編をダダ流しにしているわけで、それをうちの人の顔がやけに黄色く映るテレビではなく実家のBSハイビジョンで観られるとあってはもうしょうがない。最近とんと顔をお見かけしていないが、もしエネーチケーの人が受信料をとりに来たら払わなくてはいけないだろうな…と思っています。しかしそれ以上にベーベーセーの人が受信料をとりに来たら払わなくてはならないと思います。ベーベーセーの方向けに英文和訳調で書いておくが、わたくしはベーベーセーの人にお金を払う準備はできている。号泣する準備はできていた。きょうのプラネット・アースなんて、洞窟編を二度目にも関わらず凝視してしまいましたね。グローワーム。洞窟の天井にプラネタリウムのごとく青くきらめく光、思わず見とれてしまうがそれは何千何百とひしめく幼虫…さらに彼らは透明なよだれを、「はぐれ刑事純情派」で容疑者のつましい住まいの台所からリビングへ抜ける入り口に下がっている玉すだれ状にジュルリジュルリと長くたらします。そして先述の青い光につられてやってきた羽虫がそれにベチョリとくっつくと、グローワームは「こんにちは、かわいい虫ですね」とさらによだれをあふれさせながら、ズルズルとすだれを伝い羽虫を食べに降りてくるのだった。その瞬間の羽虫の気持ちを考えると胸に迫るものがあります。「バスケットの国・ニュージーランドのワイトモ洞窟…その空気を吸うだけで僕は高く飛べると思っていたのかなあ…」って感じではないでしょうか。ネイチャードキュメンタリーを従量制にしていただけると、わたしとエネーチケー様の間にもっとも良い関係が築かれるのではないか。そう思いますね。

未分類

今年もブヒブヒいわせていきます。年賀状を書かなかったので、戌年亥年のうつりかわりをしめしたこの写真でお茶をにごさせていただけませんか?いけませんか?今からでも書いたほうがよろしいですか?書くことにやぶさかではございません。否、むしろ前向きである。と言っても間違いではないだろう。

写真,外出,建築,着物

先日小金井の江戸東京たてもの園に行ってきました。ここは歴史的文化的に価値のある建物を移築・保存している施設です。昔の町並みが再現されていて楽しすぎる場所なので、東京近郊にお住まいの方におすすめします。

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花屋さんや銭湯、化粧品店、醤油店などが並ぶ町並み。

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文房具屋の店先。商店街区域はほとんど店先までしか立ち入れないのが不満といえば不満。

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広大な敷地の中に、商店街ゾーン以外にも豪農の家や雑木林、砲台や市電の車両、著名人の家(旧財閥の三井家とか)などが点在しています。一番好きなのは建築家の前川國男邸。こんな開放的な家に住みたい。
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露店や蔵を改造したうどん屋さん、そしてなんと高橋是清邸の一階が茶房になっていて、ここでごはんや甘味をいただくことができます。かのダルマ宰相も、まさか自分ちが喫茶店になるとは思わなかったでしょうね。

「注文は電話でするのね。もしもーし」
「はいこちら是清ですー」
「是清か!」
「是清です。ご注文お決まりになられましたか?」
「うーんと、着物できちゃったからうどんとかカレーはまずいなあ…あんみつって気分でもないし。あ、『梅としらすのピラフ』ってのがある!断然これだね。これください」
「あーごめんなさい、梅としらすのピラフは品切れなんですよう。おにぎりとかで我慢してもらえます?」
「品切れとな!」
メレ子は日本刀をつかんで二階へと駆け上がった。
(中略)
のちの二・二六事件である。

映画やDVD

妄想代理人 (6) [DVD]

妄想代理人 (6) [DVD]

2巻から6巻までを観ましたけど、パプリカみてると既視観なイメージ(こっちの方が先なんだけど)がけっこうある。どうしようもなくえぐい現実に追い詰められている人のところへ少年バットはやって来て、被害者たちはどこかでほっとしているような表情を見せるわけだけど…このドラマの中では「現実から逃げちゃいけない理由」をあえてあまり語ろうとはしていないと思った。むしろ観てる方も「なんで現実から逃げちゃいけないのさ…」という爽やかえぐカッタルイ気持ちになる。中二病RPG部分とかは楽しかったんだけど。

東京ゴッドファーザーズ [DVD]

東京ゴッドファーザーズ [DVD]

同じ監督の作品でも、「東京ゴッドファーザーズ」はそれぞれの現実から逃げているホームレスたちが赤ん坊を拾うことで、トントンとめぐる不思議な縁の果てに帰る場所を見つける映画。御都合主義万歳!の、クリスマスから年越しにかけてこたつでみかんを食べながら観るにふさわしい作品。
クリスマスについてスルー力を発動してたけど、みんながおいしそうなケーキの写真をうpしすぎなのでケーキについてはどうしてもスルーできなかった。もうずっと宝石のようなケーキのことばかり考えている。ケーキケーキケーキ…バナナブレッドのプディング…。

ラブ・アクチュアリー」は好きな映画だけど、でもラブ・アクチュアリーっていう題名はどうかと思う。着ぐるみタコ少年かわいい。

生活

ターシャ・テューダーの生活がどうとかいう番組をテレビでみました。一年に使う蝋燭千本を手作りしたりしていて、本場のカントリーは気合いが違う。おそろしく働き者。ターシャを断じてロハスやらスローライフ呼ばわりするべきではない…。
テューダー家ではコーギーやらいろいろな動物を飼っていて、特によくなれたニワトリがとてもかわいかった。目がつぶらで、ターシャの膝にのぼってチョコレートをつついたりしている様子は、わたしの知っているあの所かまわずフンをしたり蹴爪を立てておそってくる悪漢とは別の生き物。「ネコと同じくらいにはしつけられるのよ」ですって!鳥って基本的に頭がいいものね。小鳥は繊細すぎて飼えないと思ってるんだけど、これからはニワトリやハトをペットにする時代がやって来る鴨!とにかく毛のモサモサしたものを飼いたいんだよ、毛のモサモサした人間の男とかじゃなく…!

映画やDVD

スターシップ・トゥルーパーズ [DVD]

スターシップ・トゥルーパーズ [DVD]

おもしるい!頭の中で「おも汁」がいっぱい分泌されました。宇宙にまで行って巨大虫と戦いながらやってることはビバヒルと大差なくて、学園のヒーローをグローバルにストーキングして同じ部隊に入った挙句に20分のファックが死亡フラグで宇宙カマキリに引き裂かれる女兵士…哀しい…。青春だけでなく戦争もとことん皮肉られてて、効果的に挿入される「君も戦争に行って立派な市民になろう!」のCMが笑える。ワープ航法を身に着けていながら、戦闘は泥臭い白兵戦中心なのも馬鹿らしさをかきたてるために不可欠な演出。虫がとことん悪い奴には見えないようになっているし、そもそも戦争を仕掛けたのは人類である可能性も示唆されている米(よね)。監督どんなけ皮肉屋なんでしょう。
それにしても「死んだ虫だけがいい虫だ」ってかなり使えそうな名科白だ米!イナゴの佃煮を貪りながら「死んだ虫だけがいい虫だ」って言いたいし、牛肉を食べながら「死んだ牛だけがいい牛だ!フハハ」って言いたいし、可能性は無限大だ米…。2はやっぱり宇宙カマキリを倒したら中からハリガネムシが出て来て洗脳対決とかなのか。

生活

アナスイの店内を四人連れ立って彷徨う男子高校生を見て、今年いちばんクリスマスの訪れを実感。マニキュアの瓶をつまんでみたり、高いねうん高いと耳打ちしあったり、羞恥と苦痛のいりまじるオーラふんぷんと。わたしは田舎のモサモサした高校で、付き合ってる子も絶対的に少なく、男子は指南役が間違っていたのかクリスマス前には県内唯一のグッチに制服で大挙して押し寄せたりして必死で矜持を保とうとしてるスタッフが発狂しかけたり、モサ子ことメレ子にもある年瓢箪から彼氏ができて、「手編みのマフラーが欲しいとな!」って具合ではじめたはいいけれど先天性不器用症候群手編困難障害…モゾモゾとやっと10センチほど編んでお風呂に入って戻ると20センチは伸びてて「ギャー母様がマフラー勝手に編みよったー」「あんたに任せとったらバレンタインにすら間に合わんがね!バレやせんわ!」「ばーれーまーすー分担部分が縄文土器と弥生土器くらい違いますー」あ…いけない、青春というパンドラの箱が開きかけている…押さえつけ脂汗を流しながらマックでジュースを啜っていると、今度は女子高生の一群が咆哮しつつ入ってきました。「もう疲れたんだけどー」「プレゼントとか気持ちなんだから適当でいいんだって(すごい矛盾してるのに慧眼なような不思議ワード)」「今日も自分のもの買ったほうが高いしw」「男なんてイオンで買っても分かんないってwww」見ていると冷静さが戻ってきたので家に帰りました。クリスマスツリーは多摩動物公園オオゴマダラの金色サナギツリーしか認めない。