妄想,生活

夜中にテレビでやっていた『呪怨』を観てしまった。これが『儒恩』だったらどんなにいい話になることか…などと考えることで恐怖を紛らわせたり、携帯でネットしたり、怖そうな場面になると携帯でテレビ画面を半分がた隠したりなどの高度な戦術をまじえて一時間ほど視聴することができたし、その後トイレに行くこともできたので自分の人としての成長を実感した。視聴中は蛍光灯を豆球にしていたことも豪胆さの証明力を高めるために申し添えておきたい。
幽霊を信じているかというとアレでとりわけ葬式で「アレー?あそこに故人が浮かんでいるヨー?」と口走るようなオーラデブには本来の意味で彼岸を見てほしい気持ちでいっぱいだけど、人の悪意は恐ろしい。一人だけ医学部に受かった女の子の家に「お嬢さんが交通事故でお亡くなりになりました」と嘘電話がかかってきたというような話*1は本当に恐ろしい…。しかし嘘電話でその子のお母さんは死ぬほどショックを受けただろうけれど、すぐに嘘なのはわかるわけだし受かった子がしあわせで電話をかけた人がふしあわせなのはおおかた動かしようもない話。でも『呪怨』だと悪意はもう独立独歩でなにしろ写真に写りこむくらいはお手のもの、布団の中にまで出現するは奇声はあげるは、ナイフみたいにとがってはさわるものみな取り殺す。ギャー!
「ネットでおそろしい悪意といえばアレだね」
「情報流出ですか」
「恥ずかしい写真を実名とセットで流出された事件は本当にひどかった」
「本来なら家に突撃とかしてる人の方が生きてることを恥ずかしむべきなのにね」
「まあそれは本人の感じ方だから」
「おれの恥ずかしい写真が流出してもぜんぜん平気。フリーターだし近所づきあいもないし」
「そもそも君は恥ずかしい写真を撮る機会がないんじゃないか」
「うるさいわ」
「君をネットで心胆寒からしめるためにはどうしたらよいか考えた。それがスーパー破瓜ーです」
「スーパーハカー?」
「スーパー破瓜ー」
「なんぞそれ」
「まず君の個人情報を調べ上げます」
「スーパーハッカーじゃん」
「そして君が日頃憎からず思っている女性が角のローソンで土曜の夜勤に入っている、おつりを両手で包むようにして渡してくれるのがチャームポイントであるところの田辺さんであることをつきとめる」
「ええええええ。なにその技術力。っていうかマジでなんで知ってるのそれええ」
「すかさず田辺さんを巧みな話術と溢れる魅力で酔わせベッドハンティング」
「いやああああああ」
「で、最終的に田辺さんの恥ずかしい写真が流出」
「いやっ。そんなの見たら死んじゃうううう。しかも絶対凝視してから死んじゃううううう」
「スーパー墓ーだな」
「いつかは言おうと思ってたけどお前のうまいこと言った顔ってすごいいやらしいわあああ死ねえええええ」
深夜の惨劇。

*1:身近で本当にあった話

妄想

まず絡まない方向での対処について考える。じっとしていればそのうちマイミクを切ってもらえるかもしれない。簡易かつ穏便。これで済めばいいが、名うてのミクドル(ミクシーアイドルの略称)は営業メールをかけてくることもある。「最近&a美紅姫&aにコメントくれないよね。。。(〃_ _)σ‖イジイジ」腹に据えかねたらアクセス禁止する。本部に通報する。マイミクを切る。ミクシィそのものを退会する。引っ越して名前も変えて、「北斗星」で北へ。いろいろあって数年後、山で手びねりの器を作ったりフィンランドでおにぎりの食堂が軌道に乗ったらSTAGE CLEAR!! ワー
次に絡む方向で考えてみる。定期的に「美紅ちゃん今日も可愛いね〜」などのコメントを投下。最終的に全裸での絡み合いを志向するのも、ポジティブ。&a美紅姫&aのマイミクシィ153人の中でそこまでのぼりつめるのもかなり難しいが、やり甲斐はあるかもしれない。血の滲むような努力の果てにサシオフに漕ぎつけてみたら実はやんごとない方であったという可能性すらあるこの時代(姫名乗りは伊達じゃなかった!)。巡り巡って数十年後、皇位継承者になれたらYOU WIN!! ワー 一般参賀で微笑む彼女の胸元に、ヤモリのタトゥーが鎮座ましましている。彼女の呼吸に合わせてヤモリも吸盤のついた手を民衆に降りつづける。

妄想

Wii欲しくない!
話は変わるけれど、手近な猫をつかまえてとっくりと見てほしい。薄い貝殻のような猫の耳の首側のほうのつけねに、妙な切れ目が入っている。これはすべての猫を統括する耳切山という霊山があり、子猫は生まれると耳切山に連れて行かれる。そして折り目正しい猫であるという証拠に、イリオモテヤマネコのオバアにちょんと耳を切っていただく。十六夜の例会には全国から集った母猫子猫で耳切山は大盛況で、その行列は八合目まで続いている。もしたまには目先の違ったセックスをしようと山にやって来て遭難したカップルなどがあやまってその儀式に紛れ込み、猫たちの姿を目にしてしまったならば、その愛くるしさにキリキリと心臓が絞り上げられるように感じ、ぱったりとその場に倒れ伏して朝には全ての記憶を失ってしまうので耳切山の秘密は保たれている。山猫オバアの金色の目やひときわ尖った耳におそれをなして泣き出す子猫もいるが、耳切台にはDVD設備が備えられていてたとえば第二回最強虫王決定戦〜肉食コオロギリオック対ヒヨケムシだとか、キムタクが『やっぱニコンいいわ』と呟くだけのCMなどが絶え間なく流れていて、これらに子猫ちゃんが目を奪われている内にオバアの巧みな手さばきでことは終ってしまい、子猫はもらったヤクルトをチューと吸いながら胸をはって帰って行く。
やってきた子猫の一匹に目を止めるオバア。「この額つきは…この子こそが現世に降りた猫神さまじゃ!」見出だされた子猫は霊山にとどまり、次代の活仏として英才教育を受ける。やわらかい瞳はこの世のすべてを見通すかのようだ。かれを一目見ようと悩める人や病める人がやって来る。政治家やハリウッドスター、吉本ばなな等の間でも猫神さまと対話することは一種のステータスであり、ボーグで特集が組まれたりしている現状にお猫さま自身は少々困惑気味であるという。