動物,生活

ぶり大根を作ろうと思い鍋を下ろしてふたを取ってみると底に点々と黒い水玉がついていました。ベルベットに似たふかふかとした質感。平静を装って金だわしでこすり落とし、しつこく洗剤で洗い上げたのち滞りなくぶり大根作成に戻りましたが、頭の中はKABIちゃんたちの成り立ちでいっぱい。あの美しい真円(写真を撮り忘れたことを考えるとそれなりに動揺していたようです)はいかにしてできたか考えるに、年末に洗ったあとどうかして水気を拭い忘れたままふたをして、シンク上の棚に載せておいたのが原因かと。この棚は昼間はシンク上の窓から西日が差してあったかく、菌たちは密閉空間で水分を吸ってぬくぬくと年越ししたわけです。温室育ち。水滴いっぱいに育ったからきれいに丸かったのね…そこまで考えて漸く彼等への愛が湧いてきましたがもはや手遅れ。
かように神秘とは身近にあるものです。わたしの友人は虹色の米飯を確認したこともあると言っていました。奇跡は試験管のみにて起くるにあらず、鍋にも、そして水筒にも…。
中学のあるうららかな日、友達とスタンドで呆けていると、グラウンドに上がる土煙。見ると同じクラスの男子がサッカー部にボコボコにされているのでした。苛めと呼ぶにはあまりにも、技をかけている男子達の顔は引きつっていたので、オモシロの臭いを感じて後日調査を開始。ともすれば口をつぐみたがる関係者に給食のアセロラゼリーをつかませて得た調査結果をここに報告します。
彼らは部活の休憩中、めいめいに持って来た飲み物で喉を潤していました。中でもボコ男(仮名)君が「詰めてだいぶん経つみたいだけど」と、伝聞にも程がある風情で持って来た水筒のココアが妙にくせになる味だと好評を博し、部のほぼ全員が回し飲んだのだそうです。しかし残り三分の一ほどになった頃、一人がカップに浮かぶ妙なものに気付きました。「コレ…虫じゃね?」水筒の中蓋を外して砂地にココアをぶちまけると、妙な虫が何匹もわらわらとうごめいて、それで先述の砂煙となったそうな。この話をきいてからわたしはしばらく、牛乳とかコーヒーとか底の見えない飲み物をかき混ぜて確認してから飲んでいました。でもコレって何の虫だったんでしょう。普通に考えればウージーなんですけど、調査によると

  • 黒っぽかった
  • 足がいっぱいあった
  • ココアはうまかった
  • でも許さない

とのこと、上の二つはあまりウの字っぽくないような。二週間放置したココアに生じる神秘の生命について、ご存じの方はご一報くださいね。この虫について研究を進め、ココアを美味しくする虫レポを手土産に食品業界の内定を総取りしたいと考えています。チーズを美味しくするウージーだっているんだもんねえ。

主張,動物

よく考えてみたらお正月はエネーチケーのネイチャードキュメンタリーばかり観ている自分がいて、なにしろエネーチケーさんは三ヶ日かけて日本百名山だの世界遺産だのダーウィンが来た!だのプラネット・アースだの、素晴らしい番組の総集編をダダ流しにしているわけで、それをうちの人の顔がやけに黄色く映るテレビではなく実家のBSハイビジョンで観られるとあってはもうしょうがない。最近とんと顔をお見かけしていないが、もしエネーチケーの人が受信料をとりに来たら払わなくてはいけないだろうな…と思っています。しかしそれ以上にベーベーセーの人が受信料をとりに来たら払わなくてはならないと思います。ベーベーセーの方向けに英文和訳調で書いておくが、わたくしはベーベーセーの人にお金を払う準備はできている。号泣する準備はできていた。きょうのプラネット・アースなんて、洞窟編を二度目にも関わらず凝視してしまいましたね。グローワーム。洞窟の天井にプラネタリウムのごとく青くきらめく光、思わず見とれてしまうがそれは何千何百とひしめく幼虫…さらに彼らは透明なよだれを、「はぐれ刑事純情派」で容疑者のつましい住まいの台所からリビングへ抜ける入り口に下がっている玉すだれ状にジュルリジュルリと長くたらします。そして先述の青い光につられてやってきた羽虫がそれにベチョリとくっつくと、グローワームは「こんにちは、かわいい虫ですね」とさらによだれをあふれさせながら、ズルズルとすだれを伝い羽虫を食べに降りてくるのだった。その瞬間の羽虫の気持ちを考えると胸に迫るものがあります。「バスケットの国・ニュージーランドのワイトモ洞窟…その空気を吸うだけで僕は高く飛べると思っていたのかなあ…」って感じではないでしょうか。ネイチャードキュメンタリーを従量制にしていただけると、わたしとエネーチケー様の間にもっとも良い関係が築かれるのではないか。そう思いますね。

動物

NHKの自然番組「ダーウィンが来た!」をみました。
番組内容はこちら↓
http://www.nhk.or.jp/darwin/program/program029.html
シジミチョウの幼虫は、においでアリをだまくらかして最大限に利用して成虫になるらしいです。
クロシジミはアリのふりをして巣まで運びこんでもらい、何くれとなく世話をやかれながら冬をこす。これ、アリの子供のふりじゃなくてオスアリのふりしてるらしいです。オスアリは種馬として働かなくても大事にしてもらえるんだねえ…。そして世話をやかれながら蜜まで分泌するのでメスアリどもはもうメロメロ…その姿は女をヤク中にして貢がせるチンピラそのもの。アカシジミは「これから蜜出しま〜す」ってにおいだけただよわせ、アリンコを何匹も従えながら、アリンコと共生関係にあるところのアリマキをむさぼっている。黒・赤ともに、見上げた非道っぷり!
しかし羽化するとにおいマジックは使えないので、羽化したての無防備な状態でアリの中に取り残されることになり、なかなかうまくいかないです。やっぱり生まれ変わるならオスアリがウマーって感じですね。
命からがら羽化を終えたシジミチョウに「ごめんねアリさん…ボク、こんな生き方しかできないんだ…」と声をあてるNHKのセンスが素敵でした。わたしなら「冬の間ええ思いさせてもらいましたわゲヘヘヘ」とか言ってると思う。
あと、ヒゲじい(http://www.nhk.or.jp/darwin/info/narrator.html参照。趣味はオヤジギャグとのこと)が「シジミチョウはチョウすごい!」って言ってたけど、そこは「シジミチョウはシミジミすごい!」って言ってほしかった。

写真,動物

これからはステキなものをジャンルを問わず紹介していこうと思います。好きなもののひとつは昆虫です。

日本最大の蝶オオゴマダラのサナギ@多摩動物公園

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クリックでflickrに飛びます。
金色でかすかに透けていて、この世のものとは思えないくらい奇麗!!
サナギはわりと人好きのする感じですよね(ここで脱落する子は無視します。虫だけに)。幼虫はキライな人にはたまらない感じだと思うのですが、虫に対する心無い偏見を覆すようなベストショットを撮ってしまったので公開しますね。
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幼虫「なんか最近、ちょっと変な感じ…食欲もないし、わけもなく口から糸をはいてみたり…スッゴク羽ばたきたい(羽化)っていいうのかしら、変わらなきゃって思うんだよね!!先週くらいからとっても大人びてキレイになった(サナギ)ゴマ美先輩を見習って、ワタシもホントの私デビューします!」
という趣ですよね。ですよ?すごく…人として、見習いたいです。横の先輩に触発されてる感がイイ。
当ブログはグロいとかそういう凡庸な感想を禁止しています。美しいものが分からない子には用はありません!それ以前に、この弱小ブログにどんだけの人が用があるのかって感じですが…。