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はじめに

「住みたい街」というテーマでブログを書いてほしい、と依頼をいただきました。
まず、これまで住んできた街を振り返ってみます。わたしは大分県の別府市で生まれ、大学進学を機に東京で生活をはじめました。京都に少し住んだこともありますが、最終的に東京で就職。何度か引っ越しを重ね、東京近郊で暮らした総年数が大分で暮らした年数に迫りつつある頃、中国への出向に応募し、上海駐在となって2年強が経ちます。
とはいえ出向なので、数年で東京に戻る予定。出向前に買ったマンションにも愛着があるので賃貸にも出さず、現在は一時帰国のときの飲み会などで活用している、という状況です。

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通称「メレヤマンション」。手前に写っているのは、ガーナで作った自分のための装飾棺桶。家や棺桶づくりの経緯は、著書『メメントモリ・ジャーニー』(亜紀書房)をお読みください……

すごい勢いで都市化が進む上海は面白く、移動や買い物が順調にスマートにできるようになったり、お気に入りのレストランや雑貨屋を見つけたり、知らない場所になじんでいくプロセス自体は楽しめるようになった気がします。ただ「住みたい街」とはちょっと違います(たとえば中国なら、路上にローカルな賑わいのある四川省成都市や、少数民族の文化や珍しい生きものを目にできそうな雲南省のほうが好み)。
海外・国内問わず旅行が好きなのですが、最近までどんなにきれいなところに行っても「ここに住みたい!」となったこともありませんでした。わたしが地方出身なことと無関係ではないのですが、地縁やしがらみをできるだけ避けたい気持ちもあります。
今後も当分は東京を精神的な基点とする中、わたしがほかの街に住みたいという気持ちを持つには、たぶんいい街なだけでなく、大好きな「生きもの」を軸にしたプラスアルファの「必然性」が必要なのです。そこで、ここでは最近「必然性」を感じ、気になっている街をふたつ挙げます。

住みたい街その①:三崎口 ―― 友人と趣味を活かすための基地「磯の家」が欲しい

わたしの趣味は生きもの好きの友人と、フィールドに虫や生きものや化石・鉱物などを探しに行くことです。

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生きもの友達と行った沖縄・古宇利島のハゼ。気が遠くなるほどかわいいですね

最近は特に、磯でのシュノーケリングのほか、タイドプール(※干潮時の磯にできる天然の生け簀的なやつ)での生きもの観察にはまっています。数人でヤドカリや魚を観察し、口々にほめそやしつつ写真を撮って海に戻すだけですが、これが異常なまでに楽しく、すさまじいリフレッシュ効果がある。いや、磯友たちが「磯……磯に行きたい……」「昨日行ったのに磯成分が不足してきた」「磯が来い」とギィギィ鳴いているのを見るに、あれは中毒とか依存かもしれない。
しかし、良いフィールドは車が必要な場所が多く、着替えやタオル、撮影道具などの荷物も多い。車を扱える友人に負荷が集中するのも悩みです。十年来のペーパードライバーであるわたしが運転できればいいのですが、複数の命が危険に晒される……。
そこで「都心から公共交通機関でアクセスしやすく、かつ良い磯」という条件で探してみたところ発見したのが、神奈川県・三浦半島の三崎エリアです(こういう場所もありますよ、というのがあればこっそり教えてください)。

f:id:blog-media:20191028120645j:plain三崎の海岸でビーチコーミングしたときの様子。生きものオタクは何人いてもなぜかソロ感が出る

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海藻にくっついていたというミヤコウミウシ

 たとえば三浦半島の西南端にある城ケ島であれば、まぐろで有名な京急三崎口駅からバスで35分。新宿からだと2時間ちょっとでしょうか。磯友に聞くかぎり、アシカやカワウソの展示も充実している水族館・油壷マリンパークがある京急油壺にも、良い磯があるとか。ここなら帰りにホテル京急油壺 観潮荘のお風呂に寄って一杯やれそうなのもいい。基本的に海で遊ぶことと酒を飲むことしか考えていない。
観察のみとなりますが、70ヘクタールもの広大な自然公園である「小網代の森」の干潟で遊ぶのも楽しいですね(※2019年11月1日現在、台風の影響で一部立ち入りが制限されています。詳しくは公式サイトをご覧ください)。

そこで、これらのフィールドへの玄関口となる三崎口あたりに、生きもの好きの基地として「磯の家」を作れないか、と最近考えています。ネーミングは、「海の家」のキラキラ感に若干対抗している。引っ越しても通勤はなんとかなりそうだけど、できれば週末に帰る家として、磯友達とシェアしつつ利用できれば最高です。
東京にしか拠点がないと、休日海に入ってから都内に戻り、この海上がりのパサついた顔と大荷物で飲み屋を探すのはちょっときついな……となりますが、「磯の家」があればシャワーを浴びて洗濯しながら飲んだくれることもできる。かさばる海道具をまとめて置いておき、磯仲間と共同利用できれば便利だし……。
何より「いつでも磯に行ける」と思うことで、心の安定がもたらされるに違いない。職場で多少の理不尽に遭っても「でも、わたしは退社後に磯の家でビールを飲んで、週末はウミウシと戯れたりタカラガイを拾ったりできる……この人にはマイ磯がないから、わたしに当たるのもしかたがない……」と、謎の磯から目線を発揮できるようになるわけです。
磯中毒者のQOLにとっては「職住近接」ならぬ「磯住近接」もまた重要。ウェットスーツで潜ってのウミウシ観察や浜辺に打ち上げられた漂流物を観察・収集するビーチコーミングは冬が本番とも聞きますし、季節を問わず海を楽しむ方法も学んでいきたい。

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青山メインランドのオウンドメディア「ナポレオン」さんで連載「蝙蝠はこっそり深く息を吸う」がはじまりました。
ナポレオン「一生モノのモテ理論」
週1回、木曜更新です。
蝙蝠はこっそり深く息を吸う | ナポレオン
モテに関するサイトといっても編集方針はかなり自由なので、別に毎回モテや恋愛について書く必要はないのですが、書いたことがないものに挑戦してみたいので意地でも恋愛について書いています。今のところ、意外なくらい楽しく書けている。

今までに書いた記事です。

  • 第一回「森に行きたい」:恋愛はたまに死人が出るエクストリームスポーツなのではないか、という話です。

新連載 蝙蝠はこっそり深く息を吸う 第一回 「森に行きたい」 | ナポレオン

  • 第二回「21文字でダメだった」:文筆業界最高レベルにモテると思われる歌人の穂村弘さんにお会いしてまんまとポーッとなり、友達に「チョロ山チョロ子」という蔑称で呼ばれるようになった話です。

蝙蝠はこっそり深く息を吸う 第二回 「21文字でダメだった」 | ナポレオン

  • 第三回「恋のうわさソムリエ」:恋バナが好きなのに会社で収集できる恋バナはえぐみが強くて悲しい、という話です。

蝙蝠はこっそり深く息を吸う 第三回「恋のうわさソムリエ」 | ナポレオン

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10/6(土)7(日)の昆虫大学2018を終えて上海に帰ってきました。
www.konchuuniv.com

国慶節の休みで直前の一週間を丸ごと準備に使えるし、いけるやろ…と踏んでいたが最後はやっぱりヘロヘロだった。

昆虫大学はこれまで3回やっているけれど、なんだか今回は特別だったような気がして、まだ夢の中にいるような気持ち。帰りの飛行機の中でも時間の感覚がおかしくなってそわそわして、この飛行機はほんとうに上海に着くのだろうか、よくある夢みたいに現実感がないままどこかへさまよい続けるのではないか、と不安になった。
単に来場者数が2157名(再入場者数を含みません)と大きくジャンプアップしたというだけではなくて、
・ただでさえ土壇場にならないと力が出ない学長が中国にいる
・そのため、今まではほとんど組織化していなかった(学長・工作大臣・デザイン大臣の3人だった)運営をチーム化して、できることはなるべく手分けして動いた
・これまでの集大成として分厚すぎる同人誌「昆虫大学シラバス」を編集してイベントで初売り
など、はじめての挑戦ばかりだ。どれひとつとっても課題が大きすぎる。
昆虫大学は昆虫の良いところを同好の士と共有する趣旨のイベントなのだが、今回は本当にスタッフ・出展者・来場者のすべてから、人間の良いところを見せてもらいすぎてくらくらしている。関係者も総勢2200人がみんなで好きなものの話をして、混雑時にもおたがい楽しめるように譲りあって、想定外のトラブルにも精一杯の対応をしてくれていたということになる。書きたいエピソードばかりなのに考えがまとまらない。
書くとすれば運営のことだろうか。わたしは思いつきで暴走するわりには雑で詰めが甘いので、忙しくなってくると「まあこんなもんでいいか」と端折ってしまうところがあるのだが、今回はそれを運営スタッフがひとつひとつ正してくれた。
来場者数が多すぎてチケットが足りない!となって、もうとりあえず他と識別できる小さな紙ならいいよ、人手足りないし、とわたしは言ったが、当日スタッフの美大生たちが「こういうのは思い出に残るものだから、少しでもいいものにしないと」と楽屋で超スピードの仕込みをはじめて、レアな絵柄を混ぜたりして遊び心まであるかわいいチケットにしてくれた。
(昆虫大学そのものの取材ではないのだが)(だからこそ厄介でもある)会場にテレビのクルーが来てちょっとした面倒が発生したときも、「テレビの人がしょうもないのは毎度のことだし」と諦めそうになったわたしを工作大臣が止めて、言うべきことはきっちり言っていた。ほかのスタッフも、お客さんからよく出る質問にはすぐに掲示を追加したり、混んでいる場所を見つけて動線を変えたりという工夫を情報共有しながらやってくれた。来た人が楽しめたとすれば、それは「基本的には学長の好きにさせてやるけど、自分の持ち場で妥協はしないよ?」という最強の人たちが、空間のすみずみまでビッと気合いを入れてくれたからだ。

あんまり関係ないけど、この動画を思い出した(見ると泣くのであまり見ないようにしている)。
youtu.be
日常はいいことばかりではないし他人とも分かり合えないことの方が圧倒的に多いけれど、それでもたまにめちゃくちゃ心が通じた気がしてしまうときがある。それが思いこみや錯覚だとしても、わたしが今生きていくにはそんな錯覚がちょいちょい必要だな、と思う。大分には九州新幹線通ってないけどな!

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クーラーの効きすぎたオフィスや家にいると体が冷えるので、家の近所を夕方から夜にかけて散歩することがある。上海の街はどこもかしこも開発されまくっていて、ビルとか夜景とか正直いってぜんぜん好みじゃないけれど、川が多いのはいいと思う。夕暮れだけは上海も悪くない。そこら中を意識の高い上海人ランナーが走っているので、暗くなっても歩いていて怖くないのがいい。
むわっとする空気の中、川沿いの道を音楽を聴きながら歩いていたら、いま周りにいる人たちみんな言葉が通じないんだな、なんて気楽なんだろうという気持ちになってくる。寂しい気持ちもあるけれど、日本にいるときだって基本的には寂しかったわけだし、誰といても寂しいんだろうから次はまたどこに行ってもいいんだと想像する。
むかし中島らもか何かの本で「トンカチで頭をたたき続ける人生」というのを読んだことがある。トンカチで自分の頭をゆるく一定のリズムで殴り続けると、当然けっこう痛い。でも手をつかの間止めると、ジーンとなってちょっと気持ちいい。そのちょっとした気持ちよさを求めて、ずっと頭をトンカチで殴り続ける……というような話だった。
会社で働いたり、そのかたわらでいろいろ活動しているのも、トンカチで頭を殴り続けているのと何か違うんだろうか。生きていくためにやっていることだけじゃなくて、自分から望んだ楽しいはずのことも、いざ手をつけてみると9割は苦しい。1割が純粋に楽しければ御の字だ。降り下ろしたトンカチからたまに散る火花やオパールのきらきらした断面や見たことない色の内臓を眺めて、たまに感心したり喜んだりしながらだんだん死んでいくんだろうなー、と思いながら、空がはじから紺色になっていくのにまだ家に帰りたくないので少し困っている。

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2年に一度やっている昆虫大学というイベントの準備で忙しい。本当はもっと前から忙しかったはずなのだが、一時期はよくわからないくらい精神的に低迷していてぜんぜん動けず、一緒にやるために集まってくれた人たちに気を揉ませてしまった。今は「中の人が変わったのではないか」と言われる程度にはなんとか動けている。あと2か月強、このテンションでやっていく道しか残されていない。
いろんな人にお願いしたりされたり、持ちかけたことに対してそれを上回るアイデアを出されたりみるみる形になっていくのを見ていると、もう何も食べなくていいし眠らなくてもいいやといった気持ちになる。気持ちの上下動が多すぎて正直疲れるので、ネットのメンタルヘルス診断みたいなのをちょっとやってみたのだが「落ち着かないことがありますか」→よくある といったクソの役にも立ちそうにない設問に答えていくうちに「いやいやいや、心が震えずして何が人間か!ワイは間違ってない!!」と開き直って終了した。
インターネットでできた友達と会っていると、それぞれ程度の差はあるが、お互い自分の精神を持て余しますよねーという前提で話ができるのがとにかく楽だ。

東京の家にいたとき育てていたサボテンやエアプランツはすべて、上海に来るときに人に預けてしまったのだが、上海でも花市場に通ったり通販で購入したりして、だんだん鉢が増えてきた。しかしいちばん場所を取っているのは、入居時からなぜか部屋にあるモンステラだ。切れこみの入った葉が鉢から横に投げ出されるように伸びてきて、ちょっと鬱陶しい。なんとなくハワイ感があって自分では買わないタイプの植物だが、中国に来てすぐの頃はこれが唯一の友達的な精神状態だったことを思うと、お引き取り願うのも気が引ける。「体だけの関係」とか「腐れ縁」とかの単語が胸に浮かぶ。植物にしてみればわたしとの関係はぜんぶ「水だけの関係」なんだけど。
「原稿だけの関係」というのもある。依頼するほうもされるほうもあるが、たとえば依頼されるほうだと「○○みたいな文章を」だとまあ頑張りますみたいな感じで、「今まではちょっと違ったこういうものを書いてほしい」とか言われるとテンションとしては告白されたに等しく、好意を知覚する繊毛がめちゃくちゃサワサワする。
お仕事なのであえてそこをくすぐっている編集者さんも当然いるだろうけれど、赤の他人に「普段やってないことをやってみてほしい、あなたにはそれができると思うし見てみたい」っていうのは、つまりめっちゃ好きってことだと思う。少なくとも、わたしがイベントに協力してくれる人に原稿なり展示なり販売なりをお願いするときはそういう気持ちでやっています。
こんなに自分の中に他人への好意が眠っていたのか……と自覚できるので、こういうイベントをやるのは本当に楽しい。人として生き直している感じがする。ここまで重たい「だけ」があるだろうか。

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仕事で中国に来ているというと「大変そう……」という反応をされることが多いですが、いちおう社内で中国駐在の公募が出たときに自ら応募しているんですよ。報知のメールについていた「応募する」ボタンを、2時間くらい考えてポチッと押した。
当時のボスにも半年くらい前から「今の仕事はもう入社してから8年くらいやってるし、中国にも出張で何度も来てこっちの社員とのコミュニケーション取れてきたし、海外で働くことに興味がある。公募が出たら応募しようと思います」と話していて、ボスも応援してくれていました。出張中なのにわざわざ電話をかけてきてくれて「例の公募だけど、押した?いや、押していいんだよって言おうと思って。押したんだね!オッケー!よい週末を!(金曜日の夕方だった)」と言ってたのを覚えている。いい上司だなあ。
そんなわけで行くための土壌は整っていたし、あくまで期間のある出向なので現地採用とかに比べたらそこまで勇気がいる判断ではないはずだけど、就業ビザがなかなか下りず(本社での仕事との間に見た目上の連続性がないとかなんとか)、赴任まではずいぶん時間がかかった。
赴任までと赴任後の数か月、いやつい最近まで、ずっと緊張していたような気がする……。ボタンを押す瞬間はむしろ何も考えていないに等しく、「細かいことは押してから考えよう」くらいの気持ちだったので、押してから赴任までの期間が長いのはつらかった。根暗の考え、首を絞めるに似たり。

この前、中国でできた日本人の友達から「紹介したい男性がいるんだけど、自立した人が好きなんだって!メレ山さんはひとりで海外に来ちゃうくらい自立心があるでしょう?」と言われた。できれば自立してないよりは自立していたいとは常に思っているけど、はたして自立しているんだろうか……自問自答の結果出した答えは「水面をじっと見続けた結果水に落ちているだけ」だった。
目の前に穏やかな緑色の水面があって、堤防から身を乗り出して見ているとだんだん水面のことしか考えられなくなって、もう水に落ちるしかないような気持ちになってくる。ピラニアがいるんじゃないかとか足が立つかどうかとか、検討事項はいろいろあったような気がするけど、それ以上考えるのが面倒になってより過激な選択をしてしまうことが多いし、そういう時ってなんか「生きてる」って感じがする。でも「生きてる」って感じるときって、総じてわりと死に近いよね。ビビりのくせに怖がりたがりなので、自分に小さなチキンレースを仕掛けているうちにいつかポロッと死んでしまうのかもしれない。紹介ですか?数人で楽しくカラオケして何事もなく帰りました!

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「主人がオオアリクイに殺されて~」みたいなタイトルになってしまいましたが、2017年の7月24日に上海に赴任し、ちょうど1年が経ちました。
いろいろな経緯があって予定とはぜんぜん別の仕事を中国でやることになり、動悸がして眠れない夜もありましたが少しずつ慣れてきて今に至ります。せっかく海外で暮らしているのに、中国国内の写真を撮って公開できないのが残念です(邦人のスパイ容疑による拘束事件などもあり、会社の方針で不用意な写真撮影が禁止されてます)。
正直文章どころじゃねえ的な気持ちで果てしなく何かを書くことから遠ざかっていたのですが、つい先日夏休みで日本に一時帰国し、数か月前に帰国したときよりも自分の調子がだいぶ戻ってきていることを感じました。また、自分が繋がっていたいと思える人たちと繋がっているためには、曲がりなりにも何かを書き続けていることが今はいちばん重要だな、と強く実感した次第です。
中国に来る前に日記を書こうと準備していたウェブサービスは金盾によって軒並み規制されており、いちばん気軽に書けるのはなんと古巣の「はてな」だった。「はてな」はいいんかい、中国政府。と遅ればせながら気づいたので、すこし頻度を上げてここで書いてみたいと思います。昔のようなテンションの高い長文旅行記や万人に読まれることを強く意識したものは、もう書かないだろうけれど。デザインももっと日記的なボソボソとした文章に適したものに変えてみました。

Webちくまの書評コーナーに、最近読んだ3冊について書かせてもらいました。二村淳子編『常玉 モンパルナスの華人画家』津村記久子『これからお祈りにいきます』マイケル・ボンド『くまのパディントン』の3冊です。津村記久子さんは本当にいいですね、わたしが小説を書けたらこんなのが書きたい……。
www.webchikuma.jp

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イベントや文筆活動の告知などは、主にTwitterで行っています。
twitter.com
また、ちょっとした日記を書くためにMediumをはじめました。
medium.com
メレ腐の更新はとんとできていませんが、よろしければ上記でおつきあいください!

お知らせ

昨年夏から亜紀書房のウェブサイト「あき地」で書いていた連載『メメントモリ・ジャーニー』が、同名の本になりました。8/25から書店等で扱っていただいています。
何の本かというと説明がややこしいのですが、旅と死の本です。旅と死の本とは何かというと、こんな具合です。

それでは、「旅と死についてのエッセイ」と聞いた人は、通常はどんな内容を期待するだろうか。わたしがこの本に書いたことは、おもに以下の3つのカテゴリーに大別できる。

1.旅先で心に浮かぶ、人生や故郷、家族や友人への思い
2.西アフリカ・ガーナで自分のためのオーダーメイド棺桶を作りたいと思い立ってから、お金を集めて実際にガーナに行き、棺桶を日本に持って帰ってくるまでのお話
3.東京に住むひとり暮らしの30代勤労女性が古いマンションを購入し、リノベーションを施して住まいを手にいれるまでの記録

これを分かりやすさ度合いで自己採点してみると、

1.まあまあ分かる
2.だいぶ分からない
3.「旅と死」はどこへ……?

という感じになる。だが、あくまでわたしの中では、これらの要素はがっちりと絡みあい、いつか訪れる死の瞬間を前にどこに行くのか、何を目指すのか―という「メメントモリ・ジャーニー」を構成している。

(「はじめに」より)
今度こそキャッチーで売れ売れな本を作ろうと思っていたのですが、またしてもこうなってしまった。出版社のページで過去の連載の一部が読めるので、それを読んで合いそうと思った方には読んでほしいですし、合わなそうと思った方もとりあえず購入だけしてください。
メメントモリ・ジャーニー – 『メメントモリ・ジャーニー』、単行本が発売になります! | ウェブマガジン「あき地」

編集は前作『ときめき昆虫学(ときめき昆虫学)』のときも一緒に本を作ってもらった田中祥子さん、装丁は大岡寛典事務所さん、装画は西村ツチカさんです。またしてもめちゃくちゃかっこいい本になってしまいました。箔がキラッキラしています。

Amazonでも取扱中です↓

メメントモリ・ジャーニー

メメントモリ・ジャーニー

棺桶展示について

また、本の中に出てくるガーナで作った装飾棺桶「ポテト・コフィン」を、ジュンク堂書店池袋店の9階芸術フロアで展示していただいています。展示期間は9月いっぱいを予定しています。ふだんはメレ山の家にある棺桶を見られる貴重な?機会ですので、ぜひお出かけください。展示会場では、『メメントモリ・ジャーニー』に出てくる本やアフリカの本などを集めた「旅と死のブックフェア」を開催しています。サイン本もフェア期間中はこまめに追加しています。

出版関連イベント

  • 8/30(火) TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」ミッドナイト・セッション出演(終了しました)
  • 9/3(土) ジュンク堂トークイベント(終了しました)
  • 9/27(火) 荻窪Title トークイベント「メメモジャ荻窪夜話」:申込受付中

www.title-books.com
関西の書店さんでもトークイベントができそうな気配です(追ってお知らせします)

書店・イベントスペースの方へ

POPデータ等はこちらをお使いください↓
メメントモリ・ジャーニー – 『メメントモリ・ジャーニー』書店用パネル・POPを作りました! | ウェブマガジン「あき地」
棺桶の展示やイベント、サイン本などのご相談もお待ちしております。

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2015年の確定申告をどうにかすませたのを機に、2015年の仕事をまとめてみました。確定申告自体は本当に憂鬱な作業ですが、領収書や支払調書を整理していると去年の思い出が走馬灯のように思い出されます…。そして、副業の赤字に深くおののきます…。
ブログでは告知すら怠るようになってしまいましたが、せめて毎年3月は総括のタイミングにしていきたいです。

書籍

  • 『ときめき昆虫学』台湾版(中国語繁体字)

www.books.com.tw
(台湾のショッピングサイトに飛びます)
2014年に出した『ときめき昆虫学』の台湾版を、台湾の出版社「世茂」から刊行されました。翻訳版、しかも中国語なのでぜんぜん違う装丁になることを覚悟していましたが、元の凝った装丁や脚注も可能なかぎり生かしていただき、感動です。

連載

  • 連載「メメントモリ・ジャーニー」/亜紀書房ウェブマガジン「あき地」(2015年8月~)

メメントモリ・ジャーニー(メレ山メレ子) ウェブマガジン「あき地」- 亜紀書房
2016年夏に書籍化の予定です。サブ企画であるガーナ棺桶紀行のクラウドファンディングにも、大勢の方から応援していただき、本当にありがとうございます。
mmjtoghana.strikingly.com

  • 連載「メレ山メレ子の生きもの探訪」/『ライフスケープ』2015年1月号・5月号

自然を見つめる人の写真誌・ライフスケープ
風景写真出版の生きもの写真誌「ライフスケープ」に、生きものの不思議に夢中な人たちのことを書く連載をしていました。ライフスケープは残念ながら現在休刊という形になっていますが、また会える日を楽しみにしています。

寄稿

  • 『三田文学』2015夏季号 エッセイ寄稿「虫と文学―科学随筆の甘露」

批評家の若松英輔さんからお声がけいただき、「虫と文学」という大それたテーマでエッセイを書きました。この文章は、先日行われた北海道武蔵野女子短期大学の2016年現代文入試問題にも採用され、二度うれしい思い出になりました。

  • 「ポリタス」特集:戦後70年―私からあなたへ、これからの日本へ

この国を、複雑な幸福を守れる国にしたい
政治について書くのはほぼはじめてでとても悩みましたが、多くの方に読んでもらえてよかったです。生きもの関係で本当に真摯な活動をされている方に「自分はどちらかというと右だと思うが、あれを読んで『右とか左とか関係ないんだな』と思った」と言ってもらえたのを覚えています(すべての右や左の人が共感できる文章だということはもちろんありません、念のため)

  • 秋山あゆ子さん『虫けら様』ちくま文庫版 あとがき「「こちら」と「あちら」の幸福な往来」
虫けら様 (ちくま文庫)
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秋山 あゆ子
筑摩書房
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秋山さんの漫画には、自然科学への驚きと別れの哀しさがみっしり詰まっていると思います。ゲラが素晴らしすぎたのでじっくり向き合いたくなり、鬼怒川温泉の宿でひれ伏すように読んだのをよく覚えています(あとがきの中でも、そのことについて触れました)。

  • 島野智之さん『ダニ・マニア』増補改訂版(八坂書房)帯文
ダニ・マニア チーズをつくるダニから巨大ダニまで (増補改訂版)
島野 智之
八坂書房
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ダニ愛がいっぱい詰まった名著『ダニ・マニア』の帯文を書かせていただきました。街路樹の根元にも深い森にも、そしてフランスの市場に積まれたチーズにも、小さな生きものの広い世界を感じることができる。生物学者の見ている世界は、自分が見ているそれの何万倍も奥行きがあって細部まで精巧な美しさに満ちていると感じます。

  • 楽天「それ どこで買ったの?」寄稿

srdk.rakuten.jp
イベントなどを通じて集めた、生きものグッズのコレクションを紹介しています。

講演・登壇

  • 相模原環境まつり 相模原市博物館の秋山幸也さんとのトーク「あなたにも眠る?! 虫スイッチ」
  • TBSラジオ「荻上チキ Session-22」

www.tbsradio.jp

インタビュー・対談など

  • 『Oggi』1月号 「2枚目の名刺」特集

副業などで「2枚目の名刺」を持って活動している人の特集でした。

  • Z会「さぽナビ」

ZOOM UP!「昆虫大学」学長 メレ山メレ子さん
子供のときどんな勉強をしていて、今の活動にどのようにつながっているかお話しました。

  • 『Ginza』7月12日発売号「なぜだかあなたに首ったけ!CRAZY FOR YOU!」特集

こちらも生きものグッズの紹介。
Ginza No.218 Crazy? A GO GO!

  • 「モチイエ女子web」特別対談

雨宮まみさんの本『自信のない部屋へようこそ
』刊行を記念して、マンション購入について対談しました。
雨宮まみ×メレ山メレ子 特別対談

そのほか

  • 風カルチャークラブ・昆虫観察会

www.kaze-travel.co.jp
mereco.hatenadiary.com
6月に福島県只見町で、昆虫観察の一泊ツアーに講師として参加しました。
『ときめき昆虫学』を書いたのがきっかけで、中野の旅行社「風カルチャークラブ」さんとご縁ができ、何度か昆虫観察会を開催したのですが、わたし自身は講師ができるような知識量はとてもありません。只見の観察会については、昆虫標本師の政所名積さんとダブル講師という形で開催させてもらいました。風カルの嶋田さん・水野さんのツアー設計力もさることながら、虫屋の生態を体現してくださる愉快な常連さん(みずから講師を務められる虫屋が常時3人以上いる…)もいて、政所さんのお力で初心者にも優しいすごくいい空間に育ってきているので、わたしは今後はお客さんとして楽しく参加させてもらおうと思っています。そして「このツアーはワシが育てた」と言いつづけるんだ…。
親子で参加してくださったイラストレーターの熊野友紀子さんによる感想まんがが本当に素晴らしいので、ぜひお読みください!
こどもと虫旅行ってみた その1 | 熊野友紀子のイラスト・デザインカタログ
こどもと虫旅行ってみた その2 | 熊野友紀子のイラスト・デザインカタログ
こどもと虫旅行ってみた その3 | 熊野友紀子のイラスト・デザインカタログ
こどもと虫旅行ってみた その4 | 熊野友紀子のイラスト・デザインカタログ

こうしてみると、特に幸せな仕事の多い一年でした。
2016年は書籍『メメントモリ・ジャーニー』の刊行と、年内の「昆虫大学」開催を目指していきたいと思います。