昆虫大学講師紹介・その1(アリのお店から昆虫料理まで)
昆虫大学もいよいよ来週末にせまってきました。校章を作ってくれたひよこまめ雑貨店さん、特別講義として講演される丸山宗利先生、小松貴さん、のそ子さんに加えて、まだまだ多彩な講師陣をそろえております!これからオープンに向けて、数回にわけてご紹介していきます。
AntRoomさん
AntRoom アントルーム | 蟻について語ろう
アリの通販専門店であるAntRoomさんは、インセクトフェアでも大人気でブースの前には常に人だかりができています。代表の島田拓さんはとてもさわやかな方なのですが、アリの飼育にかける情熱は驚くほど!年に何度も海外へ出かけてアリや好蟻性生物を観察したり、独自に開発した「蟻マシーン」というアリ飼育キットを販売されたりしています。
アリや好蟻性昆虫の写真家としてもすごいです。こちらは昆大校章にも登場するツムギアリ。美しい…
こちらはシロオビアリヅカコオロギとアシナガキアリ。アリの体を舐めてアリのにおいを身につけ、アリのふりをして口移しでエサをねだっているところだそうです。コオロギだとバレれば攻撃されてしまいますから、ものすごくスリリング。好蟻性昆虫にはアリの真似をしておこぼれにあずかるものがたくさんいるのです。なんともドラマチック!
クロシジミの幼虫は、1〜2齢のときにはアブラムシから甘露(植物の糖分が含まれたおしっこ)をもらって暮らし、あるときクロオオアリの巣に運びこまれます。その後は自分がお尻から甘露を出して、アリに世話をしてもらって育ちます。
シジミチョウの仲間にはアリと関係が深いものが特に多いのですが、クロシジミがアリとそこそこ持ちつ持たれつな感じなのに対し、ゴマシジミの幼虫は凶悪です。シワクシケアリに運んでもらうために体をキュッと縮め、お姫様ダッコ然としていますが、巣に入れてもらったあとはアリの幼虫をモリモリ食べて育ちます。ひどい!鬼畜ー!!
昆虫大学では、小松さん・丸山さん・島田さんという好蟻性昆虫の大家を3人お迎えしているわけです。小松さん・丸山さんに好蟻性昆虫やツノゼミ(ツノゼミもアリと関係の深い昆虫です)のお話をしていただくだけでなく、大迫力の写真パネルで上のようなアリの巣の世界を紹介します!そして、AntRoomの島田さんにはアリその他の珍しい虫の販売をしていただくので、アリの生体を前にいろいろお話をうかがうこともできるでしょう。もしかしたらふだんは絶対に見ることができない、巣の中でクロオオアリがクロシジミのお世話をしている風景を会場で目にできるかも…!
ハコイリクロッキーさん
ハコイリクロッキー
羊毛フェルト作家のみきさんのサイト・ハコイリクロッキーは、虫に限らずいろんな動物たちの集まる動物園…!ハダカデバネズミなどの色粘土作品もすてきです。
昆虫大学ではなんと!!このおカイコ三態を展示していただきます。成虫のモフモフ感、愛されることしか知らずに育った感がとてつもなくCawaii!!会場ではどうぞ、お手をふれずにじっくり眺めてお楽しみください。今回は展示のみですが、おカイコ以外の虫も登場するかもしれません。
みきさんのおカイコさんは文一総合出版の季刊誌「このは」にも掲載されています。
奥村巴菜さん
陶虫銀虫…hana blog
陶作家の奥村巴菜さんは、ゾウムシなどの虫をモチーフにした陶や銀粘土の作品を作られています。
先日、女子美術大学の学祭で展示をされていたので、さっそくのぞきにいってきました。
頭がピーナッツになったツノゼミ。ツノゼミ写真集を見たあとだと、こんなツノゼミがいたとしても不思議はないと思ってしまいそう。
今度オーダーさせてもらおうと思っているカミキリムシのネックレス。もともとはコンテスト用に制作されたものだそうですが、こんな只者じゃない感のある正装用虫ジュエリーがあっただろうか!
院の卒業制作用だというでっかいゾウムシと、ゾウムシのおなかを持つ巴菜さん。ゾウムシの背中には街のような仏教美術のような不思議な模様がついていて、「たまに顕微鏡で見たら自分が妄想してた模様が本物にあったりしたらと思うとギャーッてなっちゃいますよ!」という。
昆虫大学では、小さいゾウムシから上のものよりさらに大きなゾウムシまで、五つ子状態で展示してくださるそうです。かなり華のある光景になりそうで楽しみ!
昆虫料理研究会さん(※17日(土)のみ出店)
昆虫食彩館(昆虫料理研究会ホームページ)
秋のピクニック日和ですね〜!こんな色とりどりのカナッペをランチボックスにつめて飛び出したい!飛び出した…あれ?(昆虫食に自信のない方は薄目でごらんください)(画像縮小はしない、それが虫ブログの正義(ジャスティス))
▲参考画像として送っていただいた虫せんべい。虫たちの姿が影絵のように浮かびあがる
すでに都下を中心にかなりの頻度でイベントを開催し、都市生活者に昆虫食を広めつつある昆虫料理研究会さん。夏のおわり、つくばで開かれた「セミ会」(夕方の公園で、7年の眠りを経て羽化のため出てきたセミの幼虫を拿捕し、油で揚げるなどして食べることを目的とした催し)に、敬愛するブロガーの安全ちゃんに誘っていただきました。昆虫料理研究会代表である内山昭一さんは、セミ会でも威厳に満ちたふるまいと昆虫食愛で、その場でひときわ目立つ存在だった。
▲とらわれのセミたち
わたしがカイコを飼育していることを聞きつけるや、「カイコの卵、あれはプチプチしてとてもおいしいんですよ。キャビアの代替を十分につとめうる存在です」「サナギの揚げたやつなんかは外国でも普通に食べますけど、幼虫もおすすめしたいですね」「成虫もまあ、食べるとこは少なくなっちゃうけどオリーブオイルをフライパンにひいてジャッと炒めるとなかなか」「カイコのフンのお茶、桑の葉の香りがしてとても上品なんですよ。そこのヤカンに入ってますからね」と、かなり丁寧におカイコの全ライフステージをどう舌で楽しむか教えていただきました。当時わたしはおカイコ飼育に心血を注いでいたので、その後も打ち合わせのメール等で「おカイコ様は元気ですか」とおカイコのご機嫌伺いをいただくにつけ、心の中でおカイコを抱きしめて「うちの蚕(こ)をそんな美味しんぼな目で見ないでー!!」と叫んでいた。
▲ハンターたちの目を逃れ、会場の玄関先で羽化する運のいいセミ
EAT TOKYO CAFE
昆虫料理研究会さんは秋のイベントが目白押しのため、残念ながら17日のみの出店となります。昆大の向かいでカフェ営業されているEAT TOKYOさんからご厚意によりスペースを提供いただけることになりました。神田の街を一望できるカフェテラスで、虫のお酒やタガメスエット、カイコやツムギアリの幼虫を使ったメニューなどをそろえた「虫屋台」を出していただく予定です!
11月23日!東京虫食いフェスティバルVol.4
ちなみに翌週11/23(金)に開かれる東京虫食いフェスティバルでは、「昆虫料理コンテスト」なるものが開催されるそう。実は不肖メレ山も、審査員として参加させていただく予定でございます。正装して美味しんぼ的なコメントをすべく、17日は予習の意味でも気合をいれてのぞみたいところです。