ゲームの舞台になった要塞島で謎の巨大廃屋を見た
明治期の要塞が残りまくる友ヶ島の続編です。
前編はこちら→要塞の島で干潮時に現れる軍用道路を歩いた
虎島砲台
はげしく垂れ下がるフジ蔓
友ヶ島の砲台跡はゲーム「SIREN2」のロケ地にもなっているそうです。こんな場所、夜なんか怖くて泣きわめいてしまうもんね…。確かめてみたいけどこわくてプレイできない。
中が崩落しているものもあります。
友ヶ島水道を睥睨する砲座。
潮の流れがすごいことになっている!これはプチ鳴門だな〜
虎島をあとにし、沖ノ島にもどってきました。「深蛇池」と「イワタイゲキの大群落」という地図にあったスポットにも行ってみたのですが、正直あまり見る価値はないと思う。一度船の都合で宿がキャンセルになり、翌日に日帰りで強行軍したのですが、日帰りで島の見どころをすべて見るのはかなりキツいです。
沖ノ島の東のほうには海の家や旅館があります。戦後いったん観光地化したこの島には、タイワンリスやタイワンジカ、クジャクなどが放たれて野生化しており、リスは何匹も素早く走っていくのを見かけました。クジャクは鳴き声らしきものはするのですが姿は見えずじまい。
第2砲台
海に面する第2砲台です。盛大に崩れているので有刺鉄線が張られている。
大阪湾に行き来する船と遺構。
第2砲台は終戦時に爆破処理されたのでわりと粉々です。それがまた味といえば味になっていると思う。
シカの親子と第5砲台
だいぶ残り時間が少なくなってきて、海軍潮音所やいちばん状態が良いとされる第3砲台へ行くのは難しくなってしまった。行けるところまでと山道を登っていくと、タイワンジカがゴソゴソと現れました。
「おかあさん、なんかいるよー」「しっ、見るんじゃありません」
タイワンジカはニホンジカより小柄で、顔立ちもだいぶ違うみたい。
「あの人なんかパチパチいってるよおかあさん」
「あれはわたしたちの愛らしい姿を記録しているのよ。きっとブログとかに載せて自己実現するのね」
「ジコジツゲンってなーに?」
「わたしたち高等生物には必要のないものよ」
キィッ!生意気さはニホンジカと同等のようです*1。
桟橋からいちばん近い砲台跡である第5砲台です。
せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!
友が島の砲台跡はSIRENだけじゃなくて『デスクリムゾン』という愛されクソゲーのロケ地にもなっているらしい。
たしかにすごくダメそうな感じがして、プレイしてみたいですね…。ちなみに上の動画は
1.音が出る
2.メーカーロゴ画面がありえない不気味さ加減
3.関係ない場面でも「せっかくだから、俺はこのA定食を選ぶぜ!」「せっかくだから、俺はこの超音波式の加湿器を選ぶぜ!」などと考えてしまい、普段から散漫な思考がいっそうとりとめなくなり仕事が手につかない
など様々な意味で閲覧注意です。
コンクリートの部分は貯水槽らしい。
上から見るとこんな感じです。
謎の巨大廃墟
「いろいろ見られなかったものもあるけど、まあ虎島にも渡れたし砲台もいろいろ見られたしよかったワ」と言いながら桟橋への山道を下る途中、地図やパンフには説明のない入り口らしきものを見つけました。
なにやら神秘的な感じがするで…。
導かれるままに門を抜けていくと、広大な空き地の奥に巨大な廃屋が!
「わたしを伝っておあがんなさい」
そばにある木も、珍しく好意的なアテレコをしたくなるような枝ぶり。
お言葉に甘えてよじのぼってみると、床もレンガで組まれていて溝状になっています。何だろうこの建物。兵舎?倉庫?
大ハシャギのメレ山。メレ山がチンチクリンであることを差し引いてもかなり大きな建物であることがお分かりいただけるでしょうか。
残った建物部分をのぞいても、何の建物かわかるようなものはない。床といい床下といい排水設備が充実してるみたいですが…何なんだろうなー。
サッパリわからないが、ひっそり森に埋もれている感じがたいへん気に入りました!
かなり駆け足の観光になってしまったのが残念ですが、また機会があれば一泊してじっくり見てまわりたいです。
友ヶ島訪問とこの日記を書くにあたって参考にした本です。大久野島などの情報も載っているし、冒頭のカラーページも美しくてオススメします。
*1:シカはメレ子の天敵