宿場町に咲く水中花「梅花藻」を見に行く
「ちい散歩」を視聴したことはないのですが、最近とみに地井武男をライバル視しているメレ子です。それは八月も下旬のある日のこと。この日記は本来「高山植物のお花畑!」とかナントカいうタイトルになっていたはずだったのですが…
↑伊吹山がこういう状態だったので早々に退散を余儀なくされました。
よくワイルド系の文化人が「行った人の数だけ違う顔を見せてくれるインド」とか言いますが、伊吹山だって行った人の数だけあるに決まってるだろうが!
↑そもそも時期が遅すぎて夏山とは言えない
伊吹山は岐阜県と滋賀県の県境にある山で、アクセスもゴンドラや山頂行きのバスなどがあって便利だし、夏は色とりどりの高山植物に彩られることで有名です。いつか快晴の伊吹山に行ってみたいものよ…。
バスで関ヶ原駅まで戻ってきましたが、このまま京都に戻ってしまうのはなんとも遣る瀬無い。メレ子、滅びの美学とかもののふの心とかないから関ヶ原の武将スポットを巡っても楽しめるか不安だしねー
そこで関ヶ原から東海道線で数駅のところにある醒ヶ井(さめがい)にやって来ました!ここには日本有数の清流が残っていて、さらに梅花藻(ばいかも)という珍しい花が咲くというので気になっていたのです。
梅花藻のキャラクターらしい。口元にごはん粒がついているのは、米原市がその名のとおり広大な米作地帯だからだと思います。電車に乗ってても見渡すかぎり田んぼ!メレ子は米は特に好きではないのに田んぼが好きなので、前世はカカシとかカルガモだったのかもしれませんね。カルガモ希望です。
醒井宿資料館になっている旧醒井郵便局舎。ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計に関わっているそうです。ヴォーリズ設計の建物なら以前にメレ腐でも紹介したことありますね→京都・駒井卓邸
道の横には地蔵川という清流が流れています。
宿場町とか小京都とかを売りにしている観光地って、行ってみるとガチャガチャした土産物屋であふれてることが多いですが、ここは観光っぽいお店は思ったよりずっと少ない。住居の前に川が流れているので、果物を冷やしたりおばあさんが布ものをゆすいでいたり、子供が家の前でカニを釣ったりしていてすごく羨ましい…。わたしもマイ清流が欲しい!
呉服屋さんの店先に売られていた冷やすとおいしいものの数々
浅い川にそよいでいるこの緑色の藻。うわさのバイカモです。
こんな風に石段から川に降りられるので、至近距離から花を見ることもできます。
ピンクのは百日紅の花びらが落ちてきて引っかかっているので、バイカモの花ではありませんがコントラストがきれいですね。幻想的!
水中花といっても花はおおむね水の上に出ている。水は夏でも手が切れるほど冷たいです。
バイカモはキンポウゲ科の植物で、年間を通して水温が15度前後の清流にしか育たないのでとても珍しい花になってしまっています。見たとおり梅の花に似てるから梅花藻っていうんだねェー
水中で生き物を探せるように箱メガネが置いてあります。「のぞき」というミもフタもない通称があるみたい。
「ツマツマしあわせー(ケンタッキーのムシャムシャしあわせーの歌調で)」
目をこらしていると、なにかをさかんにツマツマしているサワガニを見つけました。こんな川が家の前にあったら日がないちんち川を眺めて過ごしてしまう自信があるね…
地蔵川はハリヨというとても珍しい魚の生息地でもある。バイカモの中に卵を産むんだそうです。
加茂神社。駅前から普通に歩けば15分程度のところにあるんですが、バイカモを四苦八苦して撮っていたのでだいぶ時間がかかってしまいました…。
小さい神社ですが、境内からは醒井の町を一望できます。
賀茂神社の石垣から湧き出す湧水は「居醒(いさめ)の清水」といいます。
ヤマトタケルノミコトが前述の伊吹山へ大蛇退治に行ったとき、大蛇の毒にあてられてアイマイな感じになっちゃったらしい。でも醒ヶ井までたどり着いてここの清水を飲んだところシャッキリしたんですって。これは生まれたときからアイマイな状態が続いているわたくしにも朗報なのではないだろうか…
ゴクゴク…シャキーン!とはならないがおいしい水でした。
おいしい水といえば、マイフレンド・カカさんのお子さんの自由研究が衝撃的な結果だったのでリンクしておきますね→自由研究日記08’ – 裏庭日記 public わたしもつねづね「わたしが味オンチだからそう思うのかもしれないけど、水道水ってそんなにマズイかねー」って思ってたので、勇気をもらいました!これからはガブガブ飲んでいきたい。
なぜか水汲み場の横に野外水槽が置いてある。
なんの説明もなくハリヨが入っていました。ハリヨはトゲウオ科の魚で、卵を産める水草のあるきれいな湧水付近に住むために、生息地の減少にともない絶滅が危惧されています。発情期になるとオスはおなかが赤く色づいて伊達男になるそうです。見てみたいなー…
平日かつ微妙きわまりない天気だったという事情はともかく、とても静かなところでした。梅花藻のシーズンは本来は七・八月です。今年は十月まで梅花藻が見られそうであるという看板も出ていましたが、やはり暑さが残っているうちに行ったほうが楽しいと思います。わたしは次回は醒井養鱒場に行ってみるつもり!